お風呂に入ったら身体が動かなくなった。



なんで響と同じクラスなの…。



どこまであたしを苦しめんの?



「いつまで入ってっ…。どうした!?」



気付けば涙が出てた。



お風呂から出ても止まらない…。



「ちゃんと話して。」

「うん…。あのね…。あの子は…。」



あたしから全部奪った…。



大事な物を。



あたしが3歳の時に蒸発した実母。



入れ違いで新しい母親が赤ちゃんを連れて来た…。



お父さんもあたしより愛する人の娘を可愛がって…。



お兄ちゃんは頭もよくて父に似てるから可愛がられて…。



あたしだけ一人だった。



『あんたの笑った顔があの女に似ててムカつく。龍之介はお利口さんなのに…。あんたに「お母さん」って呼ばれたくない。あんたなんていらないんだけど。』



毎日そう言われた…。