拓海さんはやっぱり男だ…。



負けるって分かってる顔してる…。



「好きっス…。」

「俺も里佳チャン好きっス。」

「お前にいっぱい女寄ってくんじゃん!!」

「つまんないっしょ。そんな女。固い里佳チャンの心を開かせるのが楽しい。」

「わかんね…。」



それに気付かないで甘えるだけ甘えてた拓海さんがバカだっただけ。



里佳チャンの本来の姿は俺だけの物だ。



「拓海、あたしね、響と付き合ってから変われたの…。」

「うん…。」

「大事にされてるって実感するし…。女でよかったとも思えるようになった。」

「俺だって里佳の事…。」

「きっと今拓海のとこに戻っても物足りない。もう響じゃなきゃダメなの。」



里佳チャン…。



それかなり効く。



「勝敗は分かってたけどそこまで言われるとは思わなかったわ~…。」

「拓海は自分勝手。あたしもだったけど…。次は後悔しないでほしい…。」



2、3回頷いた拓海さんはグラスのビールを飲み干して立ち上がった。