いつも座っているから身長がどれくらいかはっきりとは分からないけど、きれいに伸びた足から想像するに、身長が170センチある私よりは大きいはず。

背が高いことがコンプレックスでヒールも怖くて履けない私だけど。

でも、でも。

『・・・白線の内側までお下がりください・・・』

ホームにいつものように電車が滑り込んでくる。

いつものように同じ扉から電車に乗り込み、彼の座っている近くへ移動すると、なんと彼の隣が開いている!!!

うっそ!信じられない!と半ばパニックになりつつも、自分でもびっくりするくらいすとん、と素早い動きで座ることに成功!

ああもう、どうしよう、隣にいるよ、いつもの彼が。

いつもは彼の近くに立って上から見下ろすような形で彼のつむじを見たりしていただけなのに。

時々あげる顔を見て、ドキドキしてただけなのに。