「一目惚れだったんです、あなたのことが」

私が考えていたことを、口にした彼。

一瞬、私の頭の中をのぞかれたのかとびっくりしたけど、そんなことあるわけなくて。

「こんな風に突然声をかけて気持ち悪いと思われたらどうしようって」

私の手を握っている方とは逆の手で頭をぽりぽりと書きながら、ちらっと私の方を見てくれる彼。

「あの、この手をつないだままでも大丈夫ですか?」

恥ずかしそうに改めて聞かれて、あわてて大きくうなずいてしまう。

「あ、あの、うれしい、です」

思わず変なことを口走ってしまう。

「はは、あはは。俺今日仕事にならないかも」