男は少女を抱きしめ言いました。

「君が僕というぬくもりを求めているからだよ」

少女の目に光が宿りました。

そして、一つ、二つと大粒の涙を零し続けました。

「君は・・・冷たいね・・・」

「あなたは・・・暖かいわ・・・」

少女が男の背中に腕を回すと、少女は消えました。

「!?どこに・・・」

少女がいた所には、何も残っていませんでした。

「どうして・・・」

男は一人、呟いたのでした。


          完