男の問いに大きく顔を歪ませ、リーシャは答える。


 「そういうことを言ってるんじゃない。
 それよりも、だ。離れて、アスタ」


 アスタ、と呼ばれた男は自分を退けようと押し返すリーシャの手を取って表情を曇らせる。

 
 「久々の再会だというのに、君は再会を喜んでくれないの?」

 
切なそうな双眸を向けてくるアスタをリーシャは胡散臭そうに見つめる。

 
 「そういう話でもない。
 だいたい、何でアスタがこんなところにい…」

 「い…?」

 
 言葉を途中で止めたリーシャにアスタは首を傾ぐ。
 そんなアスタをリーシャは何か考える様にじっと見つめるが、途中で何かに気づいたように目を見開く。