「勿論。我儘を素直にきくというのは相手に好意を持っている、若しくは逆らえない立場にでもない限りできない行為だからね。

 それに、仕事の虫の君が仕事の早めに切り上げて私の待つ自室へと足早に向かえばそれらしく見えるんじゃないか?」

 「仕事を早く切り上げて、だと?それじゃ本末転倒だろうがっ!」


 怒鳴る様に言うラナルフに、呆れた様にリーシャは続ける。


 「だから君は頭が固いと言うんだ。別に、政務室で行うものだけが仕事じゃない。自室に持ち込んでやれる仕事もあるだろ?それを自室に帰ってくれば良いんだよ。私は君が何をしようと干渉しないし、君がどんなに夜遅くまで仕事をしてても勝手に寝るから。

 言い訳は、――…そうだね、仕事も大事だが、私と過ごす時間を減らすのも嫌だから、ってところでどうだい?」