結局、リーシャと踊った後に幾人もの貴族の娘に誘われて踊る羽目になったラナルフが解放されたのは深夜を過ぎて、パーティー自体がお開きになる頃だった。
リーシャはといえば、主賓だというのにいつの間にか会場に姿は無く、義兄になるであろう彼女の兄に聞いてみれば11時を過ぎるころに眠いからと理由をつけて自室に戻ったという。
パーティーが終わった後に、と言ったのにも関わらず先に眠いからと戻るとはどういうことだろうか、とラナルフはリーシャの自室の前で眉を顰める。ノックしよう、と持ち上げた片手をそのまま宙で停止させて数瞬、考える。本当にノックしても良いのだろうか、と。それでもまあ、彼女が良いといったのだから良いか、と一応リーシャの寝室を軽くノックしてみる。
当然、返事は返ってこないだろう、と自室に戻ろうと踵を返したところで扉が開く音が耳に響いた。思わず振り返ると、寝た様子は無いが、ドレスからしっかりと部屋着に着替えているリーシャが立っていた。
「扉を叩いておいて帰ろうとするなんて非常識極まりないとおもうが?」
「時間が時間だ。寝てるのかと思ったんだ、それくらい察しろ」
「パーティーが終わった後に話がある。だから部屋を訪ねても良いか、と尋ねてきたのは君だったと思うが?」
「こんな時間に訪ねるほど非常識じゃない」
「……常識的なことを言ってるつもりだろうが、扉を叩いておきながらそんなことを言っても全く説得力は無いよ。まあ、とにかく話は中で聞こうか」
まだ出会って2日しかたっていないが、つくづくリーシャという王女は自分の知っている王女からかけ離れていると思う。そう思いながら、ラナルフはリーシャの後へと続いて彼女の部屋へと足を踏み入れた。
リーシャはといえば、主賓だというのにいつの間にか会場に姿は無く、義兄になるであろう彼女の兄に聞いてみれば11時を過ぎるころに眠いからと理由をつけて自室に戻ったという。
パーティーが終わった後に、と言ったのにも関わらず先に眠いからと戻るとはどういうことだろうか、とラナルフはリーシャの自室の前で眉を顰める。ノックしよう、と持ち上げた片手をそのまま宙で停止させて数瞬、考える。本当にノックしても良いのだろうか、と。それでもまあ、彼女が良いといったのだから良いか、と一応リーシャの寝室を軽くノックしてみる。
当然、返事は返ってこないだろう、と自室に戻ろうと踵を返したところで扉が開く音が耳に響いた。思わず振り返ると、寝た様子は無いが、ドレスからしっかりと部屋着に着替えているリーシャが立っていた。
「扉を叩いておいて帰ろうとするなんて非常識極まりないとおもうが?」
「時間が時間だ。寝てるのかと思ったんだ、それくらい察しろ」
「パーティーが終わった後に話がある。だから部屋を訪ねても良いか、と尋ねてきたのは君だったと思うが?」
「こんな時間に訪ねるほど非常識じゃない」
「……常識的なことを言ってるつもりだろうが、扉を叩いておきながらそんなことを言っても全く説得力は無いよ。まあ、とにかく話は中で聞こうか」
まだ出会って2日しかたっていないが、つくづくリーシャという王女は自分の知っている王女からかけ離れていると思う。そう思いながら、ラナルフはリーシャの後へと続いて彼女の部屋へと足を踏み入れた。