「確かに、殿があのキャラなら恋していいような気になる子もいっぱいいるかもね」
その後姿を唖然として見送った後、ぽつりと剣道さんが言った。
ま、私は死んでもゴメンだけど、と悪態をつけるのも忘れない。
「でも、イケナイわ」
さらりと反論するのは巫女さん。
「私、さっき霊に取り付かれそうになって、除霊したのよね。
ドウちゃんも、取り付かれそうになってたでしょ?」
「え?私、霊感ないからそういうの全然わかんない。
昼休みに、なんとなく素振りがしたくなったから、部室に剣道の練習には行ったけど」
「それそれ、多分その時、除霊してるわ。ドウちゃんの木刀って毎朝清めてあるもの」
きっぱり、巫女さんが言い切る。
霊というのは剣道の素振りごときで除霊できるものなのか、俺にはよく分からない。
「何のために、霊がつこうとするんですか?」
俺は思わず口を開く。
「そりゃ、除霊部作りに反対するために決まってるじゃない」
あまりにも当然のことのように言うので、反論する余地すらない。
こんなに不自然な話が、まるで当然存在することのようにとうとうと論じられていること自体、突っ込みどころ満載だというのに、だ。
「えと、早耳ですね、霊って」
「そうよ、気をつけて」
「でも、じゃぁどうして俺には霊がつかないんですか?」
ま、まさか既についてたり……するんじゃないだろうな。
そう考えただけで俺は薄ら寒さを感じ、ぶるぶるっと身体を震わせる。
その後姿を唖然として見送った後、ぽつりと剣道さんが言った。
ま、私は死んでもゴメンだけど、と悪態をつけるのも忘れない。
「でも、イケナイわ」
さらりと反論するのは巫女さん。
「私、さっき霊に取り付かれそうになって、除霊したのよね。
ドウちゃんも、取り付かれそうになってたでしょ?」
「え?私、霊感ないからそういうの全然わかんない。
昼休みに、なんとなく素振りがしたくなったから、部室に剣道の練習には行ったけど」
「それそれ、多分その時、除霊してるわ。ドウちゃんの木刀って毎朝清めてあるもの」
きっぱり、巫女さんが言い切る。
霊というのは剣道の素振りごときで除霊できるものなのか、俺にはよく分からない。
「何のために、霊がつこうとするんですか?」
俺は思わず口を開く。
「そりゃ、除霊部作りに反対するために決まってるじゃない」
あまりにも当然のことのように言うので、反論する余地すらない。
こんなに不自然な話が、まるで当然存在することのようにとうとうと論じられていること自体、突っ込みどころ満載だというのに、だ。
「えと、早耳ですね、霊って」
「そうよ、気をつけて」
「でも、じゃぁどうして俺には霊がつかないんですか?」
ま、まさか既についてたり……するんじゃないだろうな。
そう考えただけで俺は薄ら寒さを感じ、ぶるぶるっと身体を震わせる。