『結衣?何があった??』


あまりの痛さに顔が歪む。



「わからないです…

ただ、踏み切った瞬間に…すごい衝撃があって…」


しぼり出すしかない声。


左ひざはズキズキと今も痛んでいる。


そのうちに氷が運ばれてきて左ひざに当てられる。

でも痛みはひかず、むしろ増していた。



「結衣…?どうしたの??」

なぜか急に笑えてきて、私は一人笑っていた。


きっとヒドイ痛みのせいで壊れてしまったんだ。


本当はどん底だった。

怪我の重さは分からないけど
スポーツができない期間があるのは確かで。


痛みじゃなく悔しさで涙が溢れそうだった。








『骨折…してますね。

それに、手術の必要があります』


医者の言葉が木霊する。

私は学校の車で近くの病院へ運ばれた。


そしてレントゲンを撮り言われた一言。


『非常に珍しい骨折で、
手術しないとどうしようもありませんね』


鈍器で頭を殴られたような衝撃で。


溢れそうになる涙を堪えるのに精一杯だった。