『じゃあラスト一周!!』
待ってましたと言わんばかりに私はスピードを上げる。
右足はガクガク言っているけれど。
『結衣ちゃん、嬉しそうな顔しないの』
困ったように笑いながらも稲葉さんは私に付きっきり。
ありがたいようで、ありがたくない。
だって、ずっと緊張してなくちゃいけないじゃん
稲葉さんが隣にいるなんて。
「ありがとうございました~」
1周はあっという間に終わり、乗ってきた車イスに乗る。
『はい、じゃあまた明日ね~』
稲葉さんに見送られ、私は病室に戻った。
今日はちょっと…疲れたな
昨日より、ハードだった。
そんなことを考えていると
傷口がズキズキと痛み始めた。
これはたまに感じることがある。
まあ慣れた…って感じ
それに痛み止めが切れただけだろうし
グゥー
お腹が鳴ったと同時にお昼が運ばれてくる。
おぉ…ナイスタイミング
と、感動に浸る私は少し、頭がおかしくなってしまったのだろう