『じゃあ、あそこまで松葉杖で行こうか~』

稲葉さんはベットを指さす。

昨日とは違うところ



『ここ、結衣ちゃんの特等席ね~』

なんて冗談を言う稲葉さん


相変わらず笑顔がまぶしい…です…



『ちょっと待ってね?』

稲葉さんは隣のベットに寝ている人に話しかける。


どうやら外来で来ている患者さんが今日はいるらしい


隣にいる人はおばさんだった。

って私…なんで安心してるの?!


若い人だったらどうしよう…

とかヘンなこと考えてたよね?!


もうダメだ、私。

稲葉さんが好き過ぎる


まだ逢って数日だよ?

こんなことあり得る??


おかしいよね、絶対

おかしいよ、私



『結衣ちゃーん?

意識あるー??』


頭の上から声がして。

目だけで上を見ると私の20センチくらい離れたところに稲葉さんの顔



近いっ!

近すぎるっ!!