「結衣ちゃーん、リハビリ…行こっか」

11時

水色の白衣みたいなのを着た昨日のおばさんがやって来た。



「あ、はい。」

と、返事をしてベットから降りる準備。


ギブスの左足を持ってもらい、ベットから降りる。

そうすると左のひざが少し痛む。


ズキズキと痛むワケじゃなく、
言葉に言い表せない痛み。

ただそれはいつものことで。


またか…

と、思いながら車イスに乗った。


人目にさらされながら地下にある、リハビリ室へ行く。


リハビリ室が近づくにつれて、

エレベーターが下がるにつれて、

ドキドキが大きくなる。


それこそ、壊れるかと思うくらいに。



リハビリ室に着いても、放置

稲葉さんを捜すが、他の患者さんがいる様子


急に欠伸が襲ってきて、

ふわぁ~と、大きな欠伸



『また欠伸してぇ~』


どうしてこの人はこのタイミングで来るんだろうか

さっきまで向こうのベットのところにいたくせに。



「あ、こんにちわ…です」

平常心を装い、あいさつ。



『あい、こんにちわ』

ニヤニヤと笑う稲葉さん


タイミング…悪いですよ、ホントに。