お昼ご飯を食べ終え、それでも迎えは来なくて。
気づくともう、2時になっていた。
「じゃ、先に行って待ってるわね、結衣ちゃん」
浅田さんは車いすに乗ってリハビリ室へと行った。
いつ来るんだろう…
そう思いながらも課題をやる。
病室で勉強なんて、最悪。
なんだか気分が乗らない。
「失礼しまーす」
女の人の声で誰かが病室へ入って来た。
「今日からリハビリだよね?」
30代くらいのおばさん。
この人の服装は薄い水色の白衣みたいなの。
また新しい服装。
お医者さんでもなく、
看護師さんでもなく、
理学療法士でもない。
謎の女の人
でも無視はできないので
「あ、はい」
と、答える。
そうすると
「じゃあ今からリハビリ行こうか」
そう笑顔で言われ。
リハビリ…
逢える。
あの人…稲葉さんに、逢えるんだ
そう思えるだけでなぜか笑顔になれる私はきっと、
もう稲葉さんの虜だったんだ
こうして始まった
甘くて
苦くて
酸っぱくて
幸せな恋
経った7日の恋
稲葉さん…出逢ってくれて
ありがとう