「体温と採血しまーす」

消灯時間9時前


そんな声とともにカーテンが開いた。

顔を出したのは夜間の看護師さん



体温計を渡され、脇に挟む。

反対の腕には何かを巻かれ、消毒される。


ってか…頭痛がヒートアップされつつある。


多分…今、熱かなり高いと思う。

なんて思いながらぼーっとしていた。




「………血管、ないね」


そんな私の耳に届いたこの一言


血管ないって…どういうこと?


よく看護師さんの言葉を聞いていると

どうやら私の体質的に血管が見つかりにくいらしい。


って言われても困る…

そう思っていると採血より先に体温計が鳴った。



一瞬、驚きすぎてヘンな声が出そうになった。

だって体温計に表示された数字は



『37.9℃』


だよ?


いつ以来の数字だろう

熱なんて滅多に出さないけどここまで高熱なのはもっと出ない。



どうかしてしまったんだろうか…私は。