『おぉ~!!
莉巳ちゃん!!』
腹筋をしながら稲葉さんは微笑む。
って今腹筋何回目だろう?
「ここに寝てくれるかな?」
稲葉さんの隣のベットに莉巳ちゃんを寝かせた。
『そう言えば、莉巳ちゃんと結衣ちゃんってまったく同じケガなんだよね』
稲葉さんはクスッと笑う。
「………あの、1つだけいいですか?」
寝転がった莉巳ちゃんが不思議そうな顔で口を開いた。
「ん?どうしたの??」
「今、翼兄…先生のこと、結衣ちゃんって言った??」
『うん、言ったよ』
稲葉さんはシレッとした顔で言う。
あ、そう言えば莉巳ちゃんに言ってなかったや。
「私、中学生の頃に莉巳ちゃんとまったく同じ怪我、したんだ。
でね?そのときリハビリを担当してくれたのが…」
『僕、なんだ』
私の言葉を稲葉さんが引き継ぐ。
莉巳ちゃんは私と稲葉さんの顔を交互に見比べる。
そして
「へぇ~」
と、なんとも薄いリアクションをこぼしたのだった。