『この仕事、楽しい??』
私のぎこちない作業の途中稲葉さんは話し掛ける。
「今のところは楽しいです。
ただ津川先生は厳しいですけどね」
『誰が厳しいって??』
振り向くと口元は笑ってるのに目が笑ってない津川さんがいて。
稲葉さんは爆笑。
私は固まる。
津川さんは近づいてくる。
何この状態は…?!
私はパニック状態に陥る。
目で必死に稲葉さんに助けを求めるが、
稲葉さんは笑うのに一生懸命で私のSOSを感じ取っていない。
『ま、いいけどね。
結衣ちゃん?
俺が指導係でキミはラッキーなんだよ、本当は。』
津川さんの表情は変わり、頬の筋肉を緩める。
『本当はね、こんなに甘くない。
もーっと厳しいんだよ。
でも俺が指導係だしね。
結衣ちゃんは稲葉の…『おい』
さっきまで笑っていた稲葉さんの声はやみ、
ドスをきかせた声が津川さんの言葉を遮った。
