「え?!ちょっとセンセっ?!」
や、やばいっ!!
驚きすぎておにぎり落としちゃったし…
「ご、ごめんねぇ…」
私は転がったおむすびを拾ってコンビニの袋に入れる。
もぅ…最悪だよぉ…
「その反応じゃ、図星だね」
ニヤッと笑う莉巳ちゃん。
ホントにあのときの莉巳ちゃんがウソみたいだよ…
「大人の事情です。
子どもには教えませーん」
なんて言いつつも動揺を隠しきれない私。
今の彼氏と別れようと思ったのは昨日のこと。
突如現れた稲葉さん。
やっぱり、好きだと思った。
彼氏のことよりもずっと、好きだと思った。
あの太陽のような笑顔が好きで。
すぐそこにいると思うだけでドキドキが止まらなかった。
こんな気持ちで彼氏となんて一緒にいられない。
だから私は別れようと思ったんだ。