「こんにちは」

私はベットの横にあるイスに座った。


そこからは終始無言


決めたんだ、私。

莉巳ちゃんが話してくれるまでは話さない、って。


最初の2日間は必死で話しかけた。

でも莉巳ちゃんは黙ったままで。


だったら…

って言う考え。



もしかしたら、私になんか口を開いてくれないかもしれない。

それでもいい。


そんなことを思っていたときだった。




「……先生」


か細く、ガラスのような透明な声が私の耳に届く。


莉巳ちゃんが、口を開いたのだ。




「先生は…幸せ?」

唐突な質問。


私は今…


「幸せだよ」


唐突だったけど、私の答えは1つだけ。


この何も変わらない、いつもの日常はとても幸せなんだと思う。

何も変わらないのが幸せの象徴。



「先生…生きるって楽しい?」