『っていうことで、結衣ちゃん』
私は津川さんと向き合う。
『今から…莉巳ちゃんのところに行ってきて』
………ん?
今、なんて言いました?
『はい、立って』
言われたままに立つ私。
『そのまま真っ直ぐ』
私は真っ直ぐ進む。
そして突き当たりは扉。
って、ちょっと待って?!
「津川先生!!午後の患者さんはいいんですか?」
そんな私の質問に津川さんはニッコリ微笑む。
『だいじょーぶ!
俺に任せろ!』
津川さんは親指をたてる。
って…そのポーズ古いです…
『あれ?結衣ちゃん。
指導係の俺の言うこと、聞けないのかな?』
怖い顔をして近づいてくる津川さんの威圧感に私は急いで廊下へ出た。
っていうか…1つだけ。
ずっと疑問なんだ。
こういう仕事って…精神科の先生がやるもんじゃないの?
理学療法士の私がやる仕事なのかなぁ…
なんて頭の隅で考えているといつの間にか目の前は莉巳ちゃんの病室。
私は1つ深呼吸すると扉を開けた…