『じゃあまず、今日からリハビリ始める患者さんのところへ行こうか』
私は津川さんの後ろへ着いてエレベータを昇る。
『にしても、懐かしいね
結衣ちゃん、あの頃と全然変わってない』
津川さんはそう言って笑う。
「変わってないんですか?!
それ…ちょっとショックなんですけど…」
俯く私。
だってあの頃の私って、中学生だよ?
今じゃ二十歳過ぎたっていうのに中学生の頃と変わらないなんて…
そんなの、普通にショックじゃん。
『そんなんじゃないって~!
あの頃と変わらず、いい目してる、って意味』
なんて言う津川さんだけど、なんだかおちょくられてるみたいで。
「津川さん、私ももう大人ですよ?
そんなお世辞、効かないですよ」
そう言うと津川さんは笑う。
って笑うってことはやっぱりお世辞なんじゃん。
って、お世辞だと思ってたけどさ…
あーもう!
何言いたいか分かんなくなってきちゃったじゃん!