「しゅじゅちゅ…?」
驚きすぎて手術とちゃんと発音できていない杏子
おもしろ…って、そうじゃないか。
「うん、手術
なんかよく分かんないけど珍しい骨折したんだって、私」
そう言って笑った私。
心の中にいるもう1人の私はずっと、泣いてるけどね。
「じゃあ…学校、休むの?」
杏子が目をパチクリさせて私を見る。
多分、今杏子…壊れてる。
驚かせすぎちゃったのかな?
「まだそれもよく分かんない
とりあえず違う病院行かないといけないから」
それだけ言って荷物を取り保健室へ帰る。
『遅かったなぁー』
保健室のドアの向こうにはよっしー
「松葉杖、辛いの」
そう言いながら保健室のイスに座る。
でも、深くは腰掛けれない。
だって、太ももの上の方まで固定されてるんだもん
あー腰…痛いよ…
そんなことを思いながら本を読む
『結衣、本好きなんだったけ?』
よっしーが何かの書類と向き合いながら聞いてくる
「国語はキライだけど本は好きだよ」
よっしーは私のこの発言に大笑い
そんなに笑わなくてもいいじゃん…
なんて思いながらも私もつられて大笑い
だって、泣きそうだったんだもん
本読んでるのに内容は頭に入ってこなくて。
頭の中じゃずっと、怪我のことしか考えてなくて。
医者の言葉が頭の中を埋め尽くしていた。