『僕はわざと、言ったんだ。
勘違いするな、って。
最初から結衣ちゃんなんか相手にしてない、って。
ヒドイだろ?
でも…そう言わなくちゃいけなかったんだ。
結衣ちゃんは僕なんかじゃなく、
違う人と、自分に1番合った人と幸せになるべきなんだ。
こんな年上の僕なんかに縛られてちゃいけないんだ。
そう、思ったから僕は言った。
でも、僕…すっげぇ悲しいんだ。
もう結衣ちゃんに会えないかと思うとすげぇ悲しいんだ。
なぁ…津川。
僕…間違ってた?
僕…おかしい?』
思っていたことを口に出すというのは想像以上に辛くて、苦しくて。
何度も言葉につまった。
それでも、話を聞いてくれる津川のために最後まで伝えた。
『稲葉』
津川は僕の肩にパンチを食らわし、言った。
『お前は正しい、間違ってない。
お前はおかしくない。
だからさ、胸…張れよ。
結衣ちゃんには一生会えないかもしれないけど…
でも、会える可能性だってある。
もっと自信持って頑張れよ。
結衣ちゃんはこれからもっと成長する。
大人になった結衣ちゃんに出逢ったとき、
お前は今のまんまじゃいけないだろ?
だから、自信持って、お前ももっと成長しろ。
んで、次会ったときはちゃんと自分のキモチ伝えろ。
頑張れ!稲葉!
俺はお前を応援すっから!!』