『僕…結衣ちゃんのこと、好きだったんだ』


やっと落ち着きを取り戻した僕はゆっくりと口を開いた。



『やっぱり…か』

津川は真面目な顔をして言った。


なんだ…気づかれてたのか。

コイツには気づかれてないと思ってたのに。



『俺、今日気づいたんだ。

お前と結衣ちゃんと話してたとき、漠然と感じてた』


僕はそれを聞いて少し、心配になった。

津川に気づかれるくらい僕のキモチは分かりやすかったならもしかしたら、
結衣ちゃんに気づかれていたかもしれない。

僕のキモチを。



『結衣ちゃん、きっと僕に告白しようとしてた。

僕はよく鈍いって言われるけど…でも、それだけは感じられた』


あのまま結衣ちゃんに告白されていたら、
僕はきっとこのキモチを抑えることができなかったと思う。


だから、言わせなかったんだ。



『って、待てよ?


告白しようとしてた、ってことは告白はされてないのか?

なんで?
お前…結衣ちゃんとずっといられるチャンスだったんじゃねぇの??』


津川は1人で混乱し始める。


人の話は最後まで聞けよ…

と、心の中で考える。