無言で美味しいカレーを食べた後、俺はソファに座ってテレビを観ていた。
というより、テレビを観てるフリをしているだけであずにいつ自分の気持ちを打ち明けようかと考えていた。
振り返ると、流し台のところに小さなあずの背中が見える。
あずは昨日のことを気にしている様子でなんだかぎこちない空気が漂っていた。
しばらくするとあずが俺の隣に座った。
軽い身体がソファを引き付けて俺の身体まで反動がくる。
「…昨日はいきなり変なこと言って…ごめん。もう…気にしないで。」
気にしないでって………
気にするよ。
俺はあずの言葉に悲しくなる。
『昨日…あずが言ったことは本心じゃねーの?』
俺がそう聞くとあずは目をそらさずに答えた。
「…本心…だよ。」
じゃあ俺とあずは両思いだって信じていいの?
俺が嬉しさを言葉にする前にあずが言葉を発する。
「だけど、いいの。孝之と気まずくなるの嫌だし、気にしないで?ねっ?」
あずは無理やり笑顔を作った。
言うしかない。
俺も好きだって…。