「実は今日おばさんね、久々に夫婦二人きりで旅行行くのよ。おじさんが急に休みがとれてね。
まあ…あずも高校生だし大丈夫だと思うんだけどあの子寂しがりやだから…うちにいてやってくれないかな?」





『…ああ…はい。』

とは言いつつ、俺は告白すると決めてから突然巡ってきたチャンスに驚いていた。




「よかったわぁ。孝之くんなら安心してあずを任せられる。
ご飯も作っていくから食べてちょーだいね。あ、それから……渡したいものがあるのよ。」



そう言っておばさんは嬉しそうに一度家の中へ戻り、しばらくして小さい箱を片手にまた玄関から姿を見せた。






「これ、家族みんなで食べてちょーだい。
あずをよろしく頼むわね。」


『あ…ありがとうございます。』


渡された箱は駅前のケーキ屋さんのものだった。


美味しいと評判の店でうちもよく買いに行く。





おばさんは幼なじみの俺を完璧に信用しきってくれていて、告白を決めた俺にはとてもありがたいことだった。