透は分かっていたんだ。
自分があずを好きなことに俺が気付いているということも
そうでありながら俺もあずが好きっていうことも…
「いい加減素直になれよ…。でないとまじで俺があずちゃんもらうぞ。」
透は笑って俺の肩を叩くとそのまま教室の中へ戻っていった。
透
お前いい奴だな。
自分が告白することで
俺の背中を押そうと思ったんじゃねーの…?
俺、いつまでもこうしてられないな。
あずに言おう。
もしあずが俺じゃなく透を選んだとしても…
それより伝えることが大事なんだって俺は思うから。
とにかく伝えるよ。
教室に入るとあずはもう窓の外を見てはいなかった。
友達と楽しそうに話している。
なあ、あず。
俺、お前が好き。
本気で好き。
透みたいに上手く言えないかもしれないけど
あずにちゃんと伝えるよ。