『私の中では…まだファーストキスは残ってるよ。だってキスって本当に好きな人とするから意味があるでしょ…?』



「そうだな…。じゃあ………するよ?今から奪うけどいい……ですか…?」




私は幸せを噛みしめながらコクリと頷いた。






ずっと大好きだった孝之




好きだからどんどん変わっていく孝之に寂しさを感じてた



でも違うね

孝之はいつだって私の大好きな人なんだから






私は孝之のまつ毛がすぐ傍に見えた瞬間、軽く目を閉じた。





唇にふわりと柔らかいものが触れる。





昨日の透くんとのキスも、もう忘れたってくらい孝之のキスにドキドキしていた。







唇が軽く当たってすぐに離れ目を開けると、孝之の顔でリビングの灯りは遮られていた。





遠く感じていた孝之が

こんなに近くに感じるよ。





誰もいない家の中で二人きり。

素直に気持ちを伝え合ったせいか、私たちは大胆な気分だった。