強引に引き止めたものの
久しぶりに私の部屋に孝之が居ることに緊張を感じる。
孝之は床にあぐらを書いて座り、さっきお母さんが持ってきた林檎を食べている。
私がベットから孝之を見ていると、無意識のうちにその視線があまりに強かったのか
孝之が携帯から顔をあげてこっちを見た。
「…なに……?」
『いや………なんか…、孝之がうち来るの本当久々だなって思って。』
「そだな。」
孝之は緊張に動揺する私を気にとめた様子もなく、再び携帯へ視線を戻す。
いつからだろう。
この見慣れた顔に見惚れるようになったのは。
いつからかな?
こうして2人になると、いつもより余計に孝之の周りにいる女の子に嫉妬するよ。
だってその子たちはこうして2人きりになっても放置されずに、抱いてもらうんだから。
私は部屋で2人きりになっても
何も思わない対象なんだよ。