『じゃあ…私は抱ける?』
今日の私は悲しいついでに少しおかしいかもしれない。
孝之は私が真剣な顔でそんなことを言うから
目を見開いた。
数秒、時が流れ
「お前は無理。」
『…なんで……?』
「なんでも。とにかくお前はダメ。」
『私は幼なじみだから?』
孝之は黙る。
『私に…色気がないから?』
「別に……そんなんじゃないけど。」
曖昧な孝之に私は勝手に一人で苛立った。
『そろそろ帰るね。』
それだけ言い放ち部屋を出た。
孝之、私だってこんなガキっぽいけど孝之と同い年だよ。
女なんだよ。
ずっと孝之のことが好きなんだもん。
私、孝之になら抱かれたいって
思ってるんだから。