なんで…好きじゃなくても抱けるの?
孝之がどうしてたら本気なの?
私は
孝之の恋愛対象には入らない?
「あず、お前さっきから変。」
孝之が怪しんでることより久しぶりに“あず”って呼ばれたことの方が私の気をひいた。
『なんとなく……孝之の本気ってどんなのか…知りたいだけ。』
笑ってごまかせない私は、顔がひきつる。
「ふーん。キスは……してない。俺、本気で好きな女は抱かないから。」
孝之の口からそんな言葉を聞かされると、なんかやらしくて孝之がもっと大人に見えた。
『…そうなんだ。…じゃあなんで…本気じゃなくても抱けるの?』
孝之は携帯を触りながら
「だって、向こうが抱いてとか言うから。」
おそらく孝之とこんな会話を深くしたのは初めてで、私は悲しくなった。
聞いたのは自分なのに…………