「あず!いつまで寝てんの。遅刻するよ!」
お母さんが勢い良くカーテンを開けて
私は窓の向こうから射し込んだ光に目を擦った。
『んー!!!!』
身体を起こして背伸びをする。5月の朝は暖かく、ゴールデンウィークボケがなかなか身体から抜けてくれない。
私の名前は永瀬 あず。
高校3年生
にしては背は低く見た目も中身もガキっぽいってよく言われる。
よく忘れ物をしたり
寝癖に気づかなかったり
“天然”なんて可愛いものではなく、よくみんなから笑われちゃうのだ。
でも毎日楽しく明るく高校生活を送っている。
―――
『おっはよー!!!』
孝之の後ろ姿が見えて、猛ダッシュで追い付いた私に孝之は無関心に答える。
「うん。」
相沢 孝之
私の幼なじみで私の好きな人。
孝之とは小さい頃からずっと一緒。