寝っ転がったら、案外気持ちがよかった。ただただ私たちは無言で空を見上げていた。決して悪くはなかった。
空はカラッとした秋晴れで時々吹くさらさらとした風がなんとも心地よい。

そして、眠くなってウトウトして境界線が曖昧になってきたとき、斎藤千秋が私に呼び掛けた。
「凛はさ…」

私はそれでも眠くて、斎藤千秋の話しを夢心地で聞いた。

斎藤千秋の声はなんだかとても綺麗で喋っているだけなのに、子守唄のように感じられて、私はフワフワとした感じの中で深い眠りへと落ちていった。