【薫Side】


ヒロに電話したら声とかすっごい震えててびっくりした 



ヒロのこんな声は───あの時以来だから… 



とにかくすっごく心配になったから皆を先に帰らせて僕だけヒロの所へ向かった 














ガラガラ────



「…ヒロォ?」 



ここは音楽室
奥の部屋からピアノの音が聞こえる 



奥の部屋の扉を開けるとヒロがピアノを弾いていた 


「…やっぱりここにいた」


「…………薫、さん」


ピアノの音がやんだ


僕はヒロに近づいていく 扉前からじゃピアノが邪魔でヒロが見えないからね♪ 


「────ヒロは何か落ち込んだ時は必ずここに来るよね」


「………そうかもしれませんね」



「ヒロ、何があったの?」

聞いてみたらヒロの顔がみるみる歪んでいって 












「───ッ屋上、行った、ら…結野宮と……轍が────抱き合ってた」



轍?…轍ってあの轍?? 
…………そういや転校生来るって言ってたけど…まさか轍だったとは… 



「………それ見てヒロはどう思ったの?」