その日も同じように食堂で
彩乃と食事をとっていると
昨日の告った男が目に入った。

謝るくらいしてあげようかな。

「ねえ ちょっといい?」

私が話しかけると
そいつはあからさまに同様して
うなずいた。

「昨日は御免なさい。」

頭さげるのなんて久しぶりだな。
前お母さんに怒られて謝った時以来。

「別に。僕の方こそ。」
「え?」
「僕には手の届かないって分かってたけど
どうしても可能性があるならって」

そういって寂しそうにそいつは笑った。

「…あんた名前は?」
「え?」
「名前はって聞いてるの。」
「坂野圭 だけど。」

こんな落ち込んでるやつ見過ごせないや。

「私を満足させられるの?」

「は…はい!」

そういって圭はうれしそうに笑った。