私はそいつの手を少し乱暴に
はらった。

「付き合ってやれよ」
「は?何で」

私は思いっきりにらんだ。

「来るもの拒まずのくせに。
あいつの気持ち考えろよ。」

じゃあそっちは私の気持ちを考えてよ。

来るもの拒まず?

そんなの嘘に決まってるじゃない。

「あいにくだけど弱い男は
お断りなの。そう言ってて」
「最悪だな」

そいつは私の肩にわざと当たって
通り過ぎた。

最悪なのはどっちよ

「今日の人派手だったね」

彩乃はのんきに片手でペンを投げ
キャッチした。

「もう本当ああいうやつ迷惑。
だけどもう1人の男も迷惑だっつーの」
「あ、告った奴の友達らしいよ。
噂だけど」

そういって彩乃はまたペンを投げた。

友達…ね。