「私ってね自己中な部分あるでしょ」

暗い道を家に帰る途中に
私は彩乃に言った。

「え…ん 少しね。」

「だから私ね圭の事考えれなくて。
たくさん傷つけたと思うの。」

「そっか。」

「だから別れてよかったの。
圭にとっては。」

私はそういって少し笑ってみせた。
たぶんこれからも

ずっとずっと振り回しちゃうと思うの。

だから圭はもう安心していいよ。

もう 私のわがまま聞かなくてもいいんだから。

「御免なさい っていってて
圭に」

私はきょとんとする彩乃に手をふって
マンションまで走った。

彩乃の前じゃ 涙みせれないでしょ。