市川 紗織

特に名前の由来は無くて、
当時お母さんの好きだったドラマの
主人公の名前だから。だって

小さい頃お母さんとパパは離婚して

両方私を引き取らなかった

「子供なんて重荷だ。
子供連れてたら次の相手が見つからない」

二人は口をそろえてそう言った。

「絶対迎えに来るから 私を信じて」

そんな出任せ並べて家を出て行った。

小さい頃はそれなりに信じて待ってたけど
大きくなるにつれ

もう迎えにくる事はないんだって

なんとなく理解して
今は別に何の感情も沸いてこない

同級生に

「親居ないから家に男あげてやりたい放題
やってんでしょ」

なんて良く言われる。

人の事なんてどうでもいいじゃん。

自分が出来ないからの僻みとしか
 私は思わない。

私は1人で生きてきたんだ 小さいときから

親が残していった貯金通帳の三千万と
冷蔵庫いっぱいにつめられた食料

私は 愛情なんて知らないもん