「おい紗織 そろそろいいところに
なるのによお」

後ろで高谷が文句を言っている。

でもそんなのはまるで聞こえてなかった。

「…はい」

「あ、俺。前は御免。
そういえば高谷と付き合いだしたんだよな
おめでとう。」

ズキ

胸に痛みが走った。

おめでとう じゃないよ

言ってよ

戻ってこいよって まだお前が好きだって

「そっちもおめでと。じゃあね」

冷たく言った。

「高谷 早くして。」

私が言うと高谷は笑った。