かしましい、ひたすらかしましい女湯である。

作者は今、「ああ、こんなに†シリーズって女性がいたのね」と、読者サービスをやってみて痛感している。

ところで、女湯から竹を並べて作られた衝立の向こう――

「いっやあ……なんだかずいぶんにぎやかだね、となり」

アルが頭に乗せる手拭いを絞った。

横で浸かっている風間純に笑いかける。

「それにしても……どうだい純くん。今隣にいるの、真輝ちゃんと君の娘らしいよ」

「あっ、いや、それは」

「つまり君は真輝ちゃんをベッドの中で……言えないね。これ以上は言えないね」

アル、珍しくえげつない言い方である。

純は固まるしかない。

「想像してごらんよ純くん」

とアルは言う。ニヒルな笑み。

「あの強情なお嬢さまの真輝ちゃんが、暗いベッドの中でだよ、君と」

ガポーン! と、アルの脳天に風呂桶が激突した。

「アルぅぅぅうああっ!!」

真輝の、人間のものとは思えないほどドスの利いた怖い声。

姿は当然見えないが、まさか、見えない相手に風呂桶を当てるとは……

アルは真輝が恐ろしくなった。