仁の暴走。

「おいっ、香澄の胸すごいぞ! 俺並みにでかいっ!」

「するの、やめてーっ!」

ばしゃばしゃと舞う湯飛沫。

「ふむふむ、幹の体は絞まってんなあ!」

「くすぐったいくすぐったいー!」

ばしゃばしゃ。

広い湯船の中、太ももまである湯のなかをばしゃばしゃと。

「えりゃ!」

「ひいっ!?」

「ううむっ、真輝は形はいいんだけどなあ?」

「ひっ、批評するんじゃない!!」

ばしゃばしゃ。

「どりゃっ!」

「きあっ!?」

「ああっ楓ちーん! もっとしっかり食えお前! そんなんじゃ男を落とせんぞ!?」

「いやああっ、この変態魔法使いー! しゅっ、粛正しますよ!?」

ばしゃばしゃ。

「一二三っ、一二三逃げるな! 真輝の娘ぇ――!!」

仁の怒鳴り声に真輝が地団駄を踏んだ。

「娘言うんじゃないわよ!? なんか老けたみたいで嫌だわ!」

「娘は娘だろぉが!!」

「うるさい! 一二三っ、捕まりなさい!!」

とにもかくにもさっさと仁の暴走を止めようと思った真輝は、一二三を生け贄にすることに決めた。

「っっ、母上放せっっ!!」

「母上言うな!」

ばしゃばしゃ。

ばしゃばしゃ。