相手は優勝候補。


レベルが全然違う。


「美和、最後まで頑張ろうね。」


「もちろん。最後の1点まで、あきらめないんだから。」


技術で負けても。


気持ちだけは負けない。


最初からあきらめてたら、つまらないじゃない。


それに、相手にも失礼でしょ?


スパーンって。


相手のサーブが入ってきた。


それを返す。


でも、次のボールでポイントを取られてしまった。


相手のボールは早い。


ちょっと気を抜くと、ラケットの横を通り抜けていく。


「きゃっ!」