「はーい。」


龍矢はみんなに言ったつもりなんだろうけど。


顔、こっち向いてるよ。


わかってるよ。


私には前科がありますから。


去年の球技大会で、日射病になったの。


龍矢に怒られて。


そのまま抱きあげられて。


龍矢の腕の中で、意識を手放した。


「新井さん、立花さん、試合の時間です。」


「はい。」


龍矢に言われて、コートに入った。


私のサーブで試合が始まった。


最初は私も由衣も緊張してて、足が動かなかった。


それでも、徐々に動くようになった。