ものすごく、離れてた気がする。


「みなさん、そろそろ開会式ですよ。」


「はーい。」


みんなぞろぞろ、動きだした。


「美和。」


「ごめん、先行ってて。靴ひもほどけてた。」


「うん。早くね。」


「うん。」


しゃがんで靴ひもを直す。


「わざとだろ?」


「違うわよ。」


いつの間にか、龍矢の顔が私の前。


「早く行きなさいよ。こんなとこにいたら、怪しまれる。」


「それが久しぶりに会った感想か?」


ぐいっと、顎を持ち上げられた。