くやしいけど。


「はい。」


だって、さっきから。


1ポイントも取れないんだもん。


「先生、すごーい。」


「ほんとにできるんですね。」


女子に囲まれちゃった。


「三木先生。僕の相手してくれません?」


「大内君ですか。いいですけど、君制服じゃないですか。」


「別にかまいません。」


「そうですか。ならどうぞ。」


「みーちゃん、ラケット貸して。」


「いいけど。どーしたの急に。」


「だって、みーちゃん負けたの悔しいじゃん。俺が仇をとってやる。」


そう言うと、二人ともコートに入っていった。