「まじかよ。そんなん振られるに決まってるじゃん。」


「ごめん。言えなくて。」


「いや、さすがにそこまで言えないよな。」


「うん。」


りょー君が私に一歩近づいた。


「最後にさ、思い出作ってもいい?」


「思い出?」


りょー君が、ちらっと龍矢の方を向いた気がした。


そして。


一瞬だったけど。


りょー君の唇が、私の唇に触れた。


「ごちそうさま。」


「りょー君!?」


「じゃあな、みーちゃん。またな。」


そう手を振って、アメリカに向かった。