「龍矢、早く!」


「そんなに急がなくても、間に合うだろ。」


春休み。


今日、りょー君がアメリカに帰る。


私は、お別れをするために空港まで行く。


「たく、なんで俺も行かなきゃいけないんだよ。」


「いいでしょ?そのあと、デートするんだから。」


龍矢に車運転してもらおうと思ったんだけど。


文句たらたら。


それでも、こうやってついてきてくれる。


「ほら、着いたぞ。」


「ありがと。龍矢も行くでしょ?」


「はぁ?なんで俺が行かなきゃいけないんだよ。」


「だって、迷子になったら困るし。」


「ほんとしょうがないやつ。」