「龍矢。」


私は急いで、通話ボタンをおした。


「もしもし?」


「俺だ。」


「知ってる。」


「荷物届いたか?」


「届いたけど、あれなに?」


「クマのぬいぐるみ。」


「見ればわかります。なんであんなの送って来たのよ。」


「あ?今日はホワイトデーだろ?」


「覚えてたんだ。」


「当たり前だ。ほんとは、一緒に出掛けようと思ってたけど、出張が入ったからな。」


「出かけるって、今日は普通に学校。」


「夕食くらい、食べに行けただろ。」


「そうだね。」