正直、俺以外の男のことで泣かれるのはムカつく。


でも、こればっかりはしょうがないか。


16歳。


子供でもない、大人でもない。


そんな中、母親を亡くした美和。


不安になるのは、当たり前か。


「お願い。龍矢はどこにもいかないでね。」


今にも泣きだしそうな、美和の声。


「俺はどこもいかない。何回も言ってるだろ。」


「うん。」


「だから、安心していい。」


「うん。」


キスを落とす。


ちょっとだけ、美和の顔に笑顔が広がった。


「あっ、でもひとつだけ条件。」