「そうだよね。10年だもんね、アメリカ生活。」


「うん。だからさ、あと3か月。よろしくな。」


「うん。」


「そんな顔するなよ。ずっと会えないわけじゃないんだから。」


「そうだよね。やだ、私。なんかしんみりしちゃった。」


そうだよ。


ずっと会えないわけじゃない。


なのに。


なんでこんなに、悲しい気持ちになるんだろ?


「美和、どうした?」


夜。


ベットの中で、美和が俺に抱きついてきた。


「りょー君、帰っちゃうね。」


あっ?


「俺の胸ん中にいるときは、他の男のことなんか考えんなよ。」